ラブラドールレトリバーは人懐っこさと賢さで多くの家庭に愛される犬種です。
ところが飼い始めて驚くのが、想像を超える抜け毛の量でしょう。短毛だから大丈夫と思っていたら、家中が毛だらけになり掃除が追いつかない――そんな悩みを抱える飼い主は少なくありません。
本記事では、ラブラドールの抜け毛が多い理由や時期を科学的に解説し、実践しやすい対策方法やブラシ選び、さらに服装やインテリアでの工夫まで具体的に紹介します。
ゴールデンレトリバーとの比較や病気が疑われるケースにも触れながら、快適に愛犬と暮らすための知識を総まとめにしました。
【覚悟】ラブラドールレトリバーの抜け毛は想像を絶するレベル
ラブラドールレトリバーの抜け毛は想像以上に多い犬種です。
普段のお手入れを怠れば、すぐに家の中が毛だらけになってしまいます。
特に注意すべき点は以下の通りです。
- 「大型犬だから多い」は間違い!抜け毛が多い「ダブルコート」犬種
- 掃除やケアを怠ると、家中が毛だらけになることを覚悟しよう
それぞれ解説していきます。
「大型犬だから多い」は間違い!抜け毛が多い「ダブルコート」犬種
ラブラドールの抜け毛が多いのは大型犬だからではなく、毛質の特徴です。
犬には毛が一層の「シングルコート」と二重構造の「ダブルコート」があります。
ダブルコートの犬は次のような特徴を持ちます。
- 季節の変わり目に大量の毛が抜ける
- 下毛(アンダーコート)が密集している
- 温度調整のために毛が定期的に生え変わる
以上の特徴があるため、大型犬というより被毛の構造が理由です。
ダブルコート犬は手入れをサボると毛だまりが一気に増えるので注意が必要でしょう。
掃除やケアを怠ると、家中が毛だらけになることを覚悟しよう
ラブラドールの毛は短いのに想像以上に抜けます。
短い毛だからこそ掃除でも取りにくく、床やソファに残りがちです。
掃除を怠ると以下のような状況になります。
- 白い床だと黒毛が目立ちやすい
- 衣服に細かい毛が刺さるように残る
- ソファや寝具に絡みついて取れにくい
こうした状態になると、普通の掃除機だけではなかなか取れません。
ラバーブラシや強力なクリーナーと併用しながら対策するのが良いでしょう。
ラブラドールの抜け毛が多い理由と毛が抜ける時期
ラブラドールの抜け毛は構造的な理由があり、季節によって増減します。
理由と時期をふまえることで、適切に対策を講じられます。
- 理由:保温・保湿機能を持つアンダーコートがごっそり生え変わるため
- 時期:春と秋の「換毛期」に抜け毛の量がピークに達する
それぞれ解説していきます。
理由:保温・保湿機能を持つアンダーコートがごっそり生え変わるため
ラブラドールは短毛ですが、密集したアンダーコートを持っています。
寒さから体を守るために生えそろった毛が季節ごとに入れ替わります。
多くの犬が毛の入れ替わりで次のような変化を見せます。
- 冬毛から夏毛に切り替わるときごっそり抜ける
- アンダーコートが落ちると部屋に毛が舞う
- 毛量が減って涼しく過ごせるようになる
以上の理由から、毛が絶えず抜けるのは体の仕組みです。
生え変わりで抜け毛がひどくても病気ではないことが多いでしょう。
時期:春と秋の「換毛期」に抜け毛の量がピークに達する
ラブラドールは季節の変わり目に大量に毛が抜けます。
特に春と秋の「換毛期」は抜け毛が最も増える時期です。
この時期によく見られる状況は以下の通りです。
- 春は冬毛が一気に落ちるので部屋が毛だらけになる
- 秋は夏毛から冬毛への切り替わりで抜け毛が増える
- 通常期の数倍の量が短期間で抜ける
換毛期は毎日ブラッシングしないと毛が家に溜まります。
衣類や布団にびっしり付くので、対策を徹底する必要があるでしょう。
【最重要】ラブラドールの抜け毛対策!効果的な4つのステップ
ラブラドールの抜け毛は毎日のケアで軽減できます。
家庭で取り入れやすい方法を順序立てて紹介します。
- STEP1:毎日のブラッシングで抜け毛を事前に取り除く
- STEP2:定期的なシャンプーで古い毛を洗い流す
- STEP3:粘着カーペットクリーナーや掃除機でこまめに掃除する
- STEP4:空気清浄機を設置して空気中に舞う毛をキャッチする
それぞれ解説していきます。
STEP1:毎日のブラッシングで抜け毛を事前に取り除く
ラブラドールの抜け毛対策で最も大切なのは毎日のブラッシングです。
短毛ですが下毛が密集しているので、放置すると部屋に散らばります。
ブラッシングが必要な理由は次の通りです。
- 抜け毛を事前に取り去ることで掃除が楽になる
- 毛の通気性が良くなり皮膚トラブルを防げる
- 親密なスキンシップの時間になる
以上のように、日々のケアを続けることは大きな意味があります。
初めは面倒と思っても習慣にすれば短時間で済むでしょう。
STEP2:定期的なシャンプーで古い毛を洗い流す
ブラッシングだけでは取り切れない毛を流すにはシャンプーが必要です。
皮脂やほこりがたまると毛が絡まりやすくなり、抜け毛がさらに増えます。
シャンプーをすると次のような効果があります。
- 抜けかけの毛をまとめて除去できる
- 皮膚の清潔を保ち皮膚炎を防ぐ
- 匂いの軽減になり暮らしやすくなる
シャンプー後は必ずしっかり乾かしてください。
湿ったまま放置すると皮膚トラブルの原因になるので注意しましょう。
STEP3:粘着カーペットクリーナーや掃除機でこまめに掃除する
抜け毛を完全に防ぐことは無理なので掃除も欠かせません。
粘着タイプのクリーナーや吸引力の高い掃除機を組み合わせましょう。
掃除の工夫としては以下があります。
- 床やソファはローラークリーナーで頻繁に処理
- 布製品は専用ノズル付き掃除機で吸い取る
- 衣服は外出前に粘着クリーナーをかける
これらを習慣化すれば毛が部屋に溜まりにくくなります。
きれいな生活空間を維持する意識が大切でしょう。
STEP4:空気清浄機を設置して空気中に舞う毛をキャッチする
意外と見落としがちなのが空気中に漂う毛です。
掃除だけでは取り切れないので空気清浄機が役立ちます。
設置効果は次のようなものです。
- 舞い上がった毛やほこりをフィルターが捕集する
- 花粉やアレル物質と一緒に除去できる
- 部屋の空気が快適になり安心感が生まれる
空気が澄んでいるとペットと暮らしていても快適です。
予算に余裕があるなら早めに導入するのがおすすめです。
【ブラシ選び】ラブラドールの抜け毛対策におすすめのブラシ
ラブラドールに適したブラシ選びはとても重要です。
毛質に合わせたブラシを選ぶことで負担を減らせます。
- アンダーコートをごっそり除去するなら「ファーミネーター」が最強
- 皮膚への刺激が少ない「ラバーブラシ」もおすすめ
それぞれ解説していきます。
アンダーコートをごっそり除去するなら「ファーミネーター」が最強
大量に抜ける下毛を処理するなら専用ブラシが便利です。
その代表的なものが「ファーミネーター」と呼ばれる道具でしょう。
使うと以下の特長が実感できます。
- 下毛だけを効率良く取り除ける
- 換毛期の掃除を手軽に減らせる
- 一度のブラッシングで驚くほど取れる
以上から特に換毛期に役立つアイテムです。
力を入れすぎず優しく使うと愛犬の負担も少なくなります。
皮膚への刺激が少ない「ラバーブラシ」もおすすめ
毎日のケアには肌に優しいラバーブラシも最適です。
ゴムの突起が血行を促し、マッサージ効果も得られます。
具体的なメリットは次の通りです。
- 短時間でも毛がしっかり取れる
- 肌に優しいので犬が嫌がりにくい
- 子どもでも安全に扱いやすい
以上の理由から日常使いに適した選択肢といえます。
愛犬も気持ち良さそうにするので試してみてはいかがでしょうか。
【服装・インテリア】ラブラドールの抜け毛を目立たなくする工夫
抜け毛は完全に防げないため、生活環境で工夫をするのも有効です。
見た目のストレスを減らし掃除負担も軽くできます。
- 毛が目立ちにくい色の服やファブリックを選ぶ
- 毛が付きにくいツルツルした素材の服を選ぶ
- 犬用の服を着せて抜け毛の飛散を防ぐ
それぞれ解説していきます。
毛が目立ちにくい色の服やファブリックを選ぶ
黒毛や黄色の毛は布の色で目立ち方が違います。
家具や服を愛犬の毛色に近いものにするのがコツです。
工夫できる点としては以下があります。
- 黒毛犬なら暗めの布色を選ぶ
- 黄毛犬ならベージュ系で統一する
- 家具カバーを同系色にすると目立たない
色を合わせるだけでも印象がかなり違います。
掃除が追いつかない人ほど取り入れると良いでしょう。
毛が付きにくいツルツルした素材の服を選ぶ
毛が布に絡むかどうかは素材によって変わってきます。
ツルツルしたナイロン系の服なら毛が付きにくく便利です。
注意するポイントは以下の通りです。
- ウールやフリースは毛が絡みやすい
- 綿でも起毛タイプは付着しやすい
- ナイロンやポリエステルなど平滑素材がおすすめ
以上の理由で素材選びはとても大切です。
服だけでなくカーテンやクッションにも応用できます。
犬用の服を着せて抜け毛の飛散を防ぐ
犬に服を着せることで毛の飛散を減らす方法もあります。
換毛期には特に効果を感じやすい工夫です。
よくある利点は次の通りです。
- 毛が部屋に飛び散る量を減らせる
- 外出時に公共の場で毛を落とさずに済む
- おしゃれとしても楽しめる
ただし服を嫌がる犬もいるので注意が必要です。
慣れるまで短時間から始めるのが良いでしょう。
ゴールデンレトリバーとラブラドール、抜け毛が多いのはどっち?
ラブラドールとゴールデンはどちらも抜け毛が多い犬種です。
しかし毛質の違いにより手入れのしやすさに差があります。
- 抜け毛の量自体はどちらも非常に多い
- 長毛のゴールデンの方が毛が長く、絡まりやすいためお手入れは大変な傾向
それぞれ解説していきます。
抜け毛の量自体はどちらも非常に多い
両犬種ともダブルコートのため抜け毛は多いです。
量そのものはそれほど大きな差はないといえるでしょう。
具体的な共通点は以下の通りです。
- 換毛期になるとごっそり抜ける
- 常に一定量の毛が出てくる
- 掃除やケアを欠かせない犬種である
どちらも抜け毛に悩む飼い主が多いのは事実です。
管理のしやすさを理解した上で迎えることが必要です。
長毛のゴールデンの方が毛が長く、絡まりやすいためお手入れは大変な傾向
ゴールデンは長毛種のため毛玉や絡まりやすさが問題です。
一方ラブラドールは短毛なので毛玉はできにくいでしょう。
具体的な違いは以下の通りです。
- ゴールデンはブラッシングを怠ると毛玉ができやすい
- ラブラドールは短毛だが抜け毛は細かく掃除が大変
- 長毛犬は皮膚の状態が見えにくいので注意が必要
以上から毛の質が違うだけでケアの方向性も大きく変わります。
飼いやすさを考える際の参考になるでしょう。
これは病気のサイン?注意すべき抜け毛の症状
通常の換毛ではない抜け方をした場合、病気の可能性があります。
体調不良が原因の抜け毛は早めの受診が必要です。
- 換毛期以外に大量に毛が抜ける
- 円形脱毛症のように部分的に毛が抜ける
- 皮膚に赤みやかゆみを伴う
それぞれ解説していきます。
換毛期以外に大量に毛が抜ける
季節に関係なく大量の毛が抜けるのは異常です。
ストレスやホルモン異常なども考えられます。
典型的な状況としては次の通りです。
- 食欲が落ちて元気がなくなる
- 毛艶も悪くなってパサつく
- 通常期と比べて明らかに量が多い
この場合は自然な換毛とは異なる可能性が高いです。
早めに動物病院で相談しましょう。
円形脱毛症のように部分的に毛が抜ける
毛が部分的に抜けるなら皮膚病の恐れがあります。
真菌やダニが原因でも同じような症状が出ます。
よくある例は以下の通りです。
- 円形の脱毛斑が見られる
- 毛の境目にフケが出ている
- 犬がその部分をしきりに舐める
以上は放置すると悪化するケースも多いです。
広がる前に必ず獣医に診てもらいましょう。
皮膚に赤みやかゆみを伴う
かゆみや赤みを伴っている場合は皮膚炎の可能性が高いです。
バリア機能が低下して感染を起こすこともあります。
よく見られる症状は次のようなものです。
- 掻き続けて傷になる
- 赤みが広がり熱を持つ
- 掻き壊した部分から脱毛する
このような症状は自己判断は危険です。
かかりつけ医の診察を早めに受けるのが安心でしょう。
まとめ
ラブラドールレトリバーの抜け毛は、飼い主にとって大きな課題ですが、正しい理解と対策で快適な暮らしは十分に実現できます。
換毛期の特徴を押さえ、ブラッシングやシャンプー、掃除や空気清浄といった日々の習慣を積み重ねれば、家の中はぐっと過ごしやすくなるでしょう。
さらにブラシや服、インテリアの工夫で負担を減らすことも可能です。
もし普段と違う抜け毛や皮膚の異常が見られたときは、早めに獣医へ相談し安心を得ることが大切です。
愛犬との暮らしがより豊かで楽しいものになるよう、日常の中でできる一歩から始めてみてください。



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