ゴールデンレトリバーで後悔？飼う前に知るべき大変さと魅力

「いつかはゴールデンレトリバーと暮らしたい」その優雅な姿と賢さから、多くの人が憧れを抱く犬種です。

しかし、実際に飼い始めてから「こんなはずではなかった」と後悔する声が聞かれるのも事実です。

この記事にたどり着いたあなたは、「ゴールデンレトリバー 後悔」というキーワードで検索し、漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。

例えば、やんちゃな子犬が家をボロボロにしてしまうのではないか、そもそも大型犬は飼ってはいけないと言われるけれど本当だろうか、といった心配や、よく比較されるゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー、どちらが飼いやすいのかという疑問もあるかもしれません。

この記事では、そんなあなたの不安や疑問に真正面から向き合い、後悔しないために知っておくべき現実と、それを上回る素晴らしい魅力の数々を詳しく解説していきます。

ゴールデンレトリバーで後悔する前に知るべきこと

ゴールデンレトリバーを飼ってはいけないと言われる理由

「ゴールデンレトリバーを飼ってはいけない」という言葉は、この犬種の魅力だけを見ていると少し衝撃的かもしれません。

しかし、この言葉の裏には、大型犬との生活に伴う現実的な課題が隠されています。

まず、その体の大きさと力の強さが挙げられます。温厚な性格ですが、子犬の頃はやんちゃで、成犬になってもそのパワーは相当なものです。

散歩中に強く引っ張られて転倒したり、じゃれて飛びつかれただけで人が怪我をしたりする可能性もゼロではありません。

十分なしつけができていないと、飼い主がコントロールできなくなるリスクがあります。

次に、寂しがり屋な性格です。

ゴールデンレトリバーは人と一緒にいることを喜びとする犬種のため、長時間の留守番は大きなストレスになります。

飼い主とのコミュニケーションが不足すると、ストレスから問題行動を起こすこともあります。

常に誰かが家にいる環境が理想的で、忙しくてあまり家にいない人には向いていないと言えるでしょう。

そして、遺伝的な疾患のリスクも無視できません。

股関節形成不全や悪性腫瘍（ガン）、皮膚疾患など、特定の病気にかかりやすい傾向があります。

これらの病気は治療が長期にわたったり、高額な医療費が必要になったりすることもあります。

これらの理由は、ゴールデンレトリバーが悪い犬だという意味では決してありません。

むしろ、その素晴らしい性格や能力ゆえに、飼い主には相応の覚悟と責任、そして環境が求められるということです。

これらの課題を理解せずに飼い始めてしまうと、「こんなはずではなかった」という後悔につながってしまうのです。

ゴールデンレトリバーで家がボロボロになる可能性

ゴールデンレトリバー、特に子犬期のやんちゃさは想像以上で、家の中がボロボロになる可能性は十分にあります。

成犬の穏やかな姿からは想像しにくいかもしれませんが、子犬から若犬にかけての時期はエネルギーに満ち溢れ、好奇心旺盛です。

破壊行動の主な原因は、有り余るエネルギーと退屈さ、そして歯の生え変わりに伴う歯のむず痒さです。

これらが組み合わさることで、家具の脚をかじったり、壁紙を剥がしたり、スリッパやクッションを破壊したりといった行動につながります。

大型犬であるため、その破壊力は小型犬の比ではありません。

木製のテーブルセットが破壊されたという事例もあるほどです。

また、誤飲のリスクも非常に高いです。

好奇心から様々なものを口に入れてしまい、布製品や小さなおもちゃ、人間の薬などを飲み込んでしまう事故も少なくありません。

これは命に関わる危険な行為であり、室内環境の管理が極めて重要になります。

こうした破壊行動や誤飲を防ぐためには、以下の対策が不可欠です。

• 十分な運動：毎日の散歩や遊びでエネルギーを発散させる。
• 知的な刺激：知育トイなどを与えて、退屈させない工夫をする。
• 環境整備：かじられたくないもの、誤飲の危険があるものは犬の届かない場所に片付ける。
• しつけ：何がおもちゃで、何をかじってはいけないかを根気強く教える。

子犬期の一時的なものとはいえ、家がボロボロになる覚悟と、それを防ぐための労力を惜しまない姿勢が求められます。

大量の抜け毛と日々の掃除の大変さ

ゴールデンレトリバーとの生活で、多くの飼い主が直面するのが想像を絶するほどの抜け毛です。

彼らは「ダブルコート」と呼ばれる二重構造の被毛を持っており、これが抜け毛の主な原因です。

ダブルコートは、皮膚を保護する硬めの上毛（オーバーコート）と、体温調節の役割を果たす柔らかい下毛（アンダーコート）で構成されています。

特に季節の変わり目である春と秋の「換毛期」には、ごっそりとアンダーコートが抜け落ち、家中が毛だらけになります。

洋服やカーペットはもちろん、食事の中にまで毛が入ってしまうことも日常茶飯事です。

この大量の抜け毛に対処するためには、毎日のブラッシングとこまめな掃除が欠かせません。

抜け毛対策

ブラッシング: 換毛期には1日に数回、それ以外の時期でも2〜3日に1回はブラッシングが必要です。

スリッカーブラシで不要なアンダーコートを取り除き、コームで毛並みを整えるのが効果的です。

定期的なブラッシングは、抜け毛を減らすだけでなく、皮膚の健康を保ち、毛玉を防ぐ上でも重要です。

シャンプー: 定期的なシャンプーも有効ですが、洗いすぎは皮膚を痛める原因にもなるため、月に1回程度が目安です。

掃除: 掃除機をかけるのはもちろん、カーペットやソファには粘着クリーナー（コロコロ）、フローリングにはフローリングワイパーが活躍します。

舞い上がる毛を考慮し、まずワイパーなどで毛を集めてから掃除機をかけると効率的です。

アレルギーのある家族がいる場合は特に注意が必要です。

抜け毛の手間を「面倒」と感じる人にとっては、ゴールデンレトリバーとの生活は大きな負担になる可能性があります。

毎日の散歩と運動量の確保

ゴールデンレトリバーはもともと水鳥を回収する猟犬として活躍していた犬種であり、非常に多くの運動量を必要とします。

そのため、毎日の散歩と運動は、彼らの心身の健康を維持するために不可欠です。

成犬の場合、1日に2回、それぞれ30分から1時間程度の散歩が目安とされています。

距離にすると、合計で2kmから4kmほどになります。

ただ歩くだけでなく、時には早歩きを取り入れたり、安全な場所でボール遊びをしたりと、運動に変化をつけることも大切です。

運動不足は、さまざまな問題を引き起こす原因となります。

• ストレスの蓄積：有り余るエネルギーが発散できないとストレスが溜まり、無駄吠えや破壊行動といった問題行動につながることがあります。
• 肥満：ゴールデンレトリバーは食欲旺盛で太りやすい体質です。 運動不足は肥満を招き、関節疾患や心臓病などのリスクを高めます。
• 社会性の欠如：毎日の散歩は、他の犬や人と触れ合う貴重な機会であり、社会性を育む上で重要です。

週末にはドッグランに連れて行って思い切り走らせたり、水遊びが好きなので夏場には川や湖で泳がせたりするのも大変喜びます。

雨の日でも散歩を完全に休むとストレスが溜まる可能性があるため、短い時間でも外に出るか、室内で知育トイなどを使って遊んであげると良いでしょう。

毎日、天候にかかわらず十分な運動時間を確保できるかは、ゴールデンレトリバーを飼う上での重要な判断基準となります。

ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない理由との比較

ゴールデンレトリバーとしばしば比較されるラブラドールレトリバーもまた、「飼ってはいけない」と言われることがあります。

どちらの犬種も大型犬であり、賢く、多くの運動量を必要とするなど共通点が多いですが、その理由は少し異なります。

ラブラドールが「飼ってはいけない」と言われる主な理由は、その底なしの体力とパワフルさにあります。

ゴールデンよりもさらにエネルギッシュで、若犬の頃は特に落ち着きがないと感じる飼い主も少なくありません。

その有り余る体力は、生半可な運動量では満たされず、運動不足はゴールデン以上に破壊行動などの問題行動に直結しやすい傾向があります。

また、非常に食欲旺盛で、盗み食いや拾い食いをしやすいため、徹底した食事管理と誤飲への注意が必要です。

短毛で手入れは楽に見えますが、抜け毛は多く、その毛は硬く短いのでカーペットや布地に突き刺さり、掃除がしにくいという側面もあります。

どちらの犬種も、飼い主には相応の体力、時間、そして犬をコントロールするための知識と根気が求められます。

これらの点を理解せずに迎えてしまうと、犬も飼い主も不幸になってしまう可能性があるため、「飼ってはいけない」という警告がなされるのです。

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーどちらが飼いやすいか

「ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー、どちらが飼いやすいか？」という問いに対する答えは、飼い主のライフスタイルや犬に何を求めるかによって異なります。

どちらも賢く、人懐っこい家庭犬として非常に人気が高いですが、いくつかの重要な違いがあります。

一般的に、性格の穏やかさではゴールデンレトリバーに軍配が上がることが多いようです。

ゴールデンはラブラドールに比べてやや繊細で落ち着きがあり、家族の空気を読んでそっと寄り添うような優しさを持つ傾向があります。

一方、ラブラドールはよりエネルギッシュで遊び好き、陽気で天真爛漫な性格の子が多いと言われています。

お手入れの面では、短毛のラブラドールの方が手軽です。

ゴールデンの長く美しい被毛は魅力的ですが、毎日のブラッシングを怠ると毛玉ができやすく、抜け毛の量も多いため、こまめなケアが必須です。

どちらの犬種があなたの家庭に合うか、以下の表を参考に検討してみてください。

比較項目	ゴールデンレトリバー	ラブラドールレトリバー
性格	穏やか、繊細、優雅、やや落ち着きがある	活発、陽気、エネルギッシュ、作業意欲が高い
被毛・手入れ	長毛のダブルコート。毎日のブラッシングが必須で抜け毛が多い	短毛のダブルコート。手入れは比較的楽だが抜け毛は多い
必要な運動量	多い（1日2回、各30分〜1時間程度）	非常に多い（ゴールデン以上を要求されることも）
しつけやすさ	非常に賢く、物覚えが良い	非常に賢いが、若犬期は落ち着きがないことも
初心者への推奨度	比較的、メスの方が落ち着いている傾向があると言われる	パワフルさの制御に体力と根気が必要

結論として、室内で比較的落ち着いて過ごしてほしい、被毛の手入れに時間をかけられる家庭ならゴールデンレトリバーが、一緒にアウトドアなどでアクティブに遊びたい、体力に自信がある家庭ならラブラドールレトリバーがより適していると言えるかもしれません。

最終的には個体差も大きいため、実際に子犬を見て、その性格や気質を確かめることが最も重要です。

ゴールデンレトリバーで後悔しないための準備

子犬のうちからのしつけの重要性

ゴールデンレトリバーとの幸せな生活の鍵を握るのが、子犬のうちからの適切なしつけです。

彼らは非常に賢く、飼い主に忠実なため、しつけがしやすい犬種と言われていますが、その賢さゆえに悪いこともすぐに覚えてしまいます。

特に重要なのが「社会化期」と呼ばれる生後3〜12週間の時期です。

この時期に様々な人、犬、物、音などに触れ合わせることで、社会性を身につけ、将来的な問題行動（過度な吠えや攻撃性など）を予防することができます。

体が小さく、力が弱い子犬のうちに、以下の基本的なしつけは必ず行いましょう。

必須の基本しつけ

トイレトレーニング
室内で一緒に暮らす上で最も基本的なしつけです。

成功したら大いに褒めることを繰り返し、根気強く教えましょう。

甘噛み
子犬はじゃれて甘噛みをしますが、人の手を噛んではいけないことを教える必要があります。

噛まれたら「痛い」と伝えて遊びを中断するなど、ルールを明確に示します。

飛びつき
人懐っこさから喜びの表現として飛びつきがちですが、大型犬が成犬になってから行うと非常に危険です。

飛びつかれても相手をせず、落ち着いたら褒めるようにします。

散歩のしつけ（リーダーウォーク）
飼い主の横について歩くように教えます。

犬が自由に引っ張る癖がついてしまうと、成犬になった時にコントロールが非常に困難になります。

しつけのポイントは、体罰や強い叱責は絶対に避けることです。

ゴールデンレトリバーは褒められることで伸びるタイプなので、できたらたくさん褒めてあげる「ポジティブリンフォースメント（陽性強化）」が最も効果的です。

飼い主との信頼関係を築きながら、遊びの延長線上で楽しくトレーニングを進めることが、後悔しないための第一歩となります。

抜け毛対策とグルーミングの頻度

ゴールデンレトリバーの美しい被毛を保ち、室内の抜け毛を管理するためには、日常的なグルーミングが不可欠です。

これを怠ると、家が毛だらけになるだけでなく、犬自身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

具体的なケアの方法と頻度は以下の通りです。

ブラッシング

抜け毛対策の基本であり、最も重要なケアです。

• 頻度：換毛期（春・秋）は毎日1回以上、それ以外の時期でも2〜3日に1回が目安です。
• 道具：アンダーコートの不要な毛を取り除く「スリッカーブラシ」と、毛並みを整え毛玉のチェックをする「コーム」を揃えておくと良いでしょう。
• ポイント：ブラッシングは皮膚を傷つけないように優しく行い、特に毛玉ができやすい耳の後ろや脇の下、内股などは念入りにケアしましょう。

シャンプー

体全体の汚れや抜け毛を洗い流し、皮膚を清潔に保ちます。

• 頻度：月に1回程度が目安です。頻繁すぎるシャンプーは、皮膚に必要な油分まで落としてしまい、かえって皮膚トラブルの原因になることがあるため注意が必要です。

トリミングサロンの利用

自宅でのケアが難しい場合や、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなどをまとめてプロに任せたい場合は、定期的にトリミングサロンを利用するのも良い選択肢です。

シャンプーと合わせて足裏の毛のカットなども行ってもらうと、フローリングでの滑り防止にもつながります。

これらのグルーミングは、ただ体を清潔に保つだけでなく、飼い主が犬の体に触れることで皮膚の異常やしこりなどを早期発見する機会にもなります。

愛犬との大切なコミュニケーションの時間と捉え、日々の習慣にすることが後悔しないための秘訣です。

広い飼育スペースと室温管理

大型犬であるゴールデンレトリバーが快適に暮らすためには、十分な広さの飼育スペースと、徹底した室温管理が不可欠です。

これらを軽視すると、犬のストレスや健康問題に直結し、後悔の原因となり得ます。

飼育スペースの確保

成犬になると体重は25kg〜35kgほどになり、体長も大きくなるため、狭いスペースではストレスを感じてしまいます。

• 生活スペース：犬が自由に動き回れる、広めのリビングなどが理想です。 室内には犬が安心して休めるように、体の大きさに合ったケージやクレート、ベッドを用意してあげましょう。
• 床材への配慮：滑りやすいフローリングは股関節などに負担をかけ、怪我の原因になります。カーペットを敷いたり、滑り止めのワックスを塗ったりするなどの対策が必要です。
• 安全対策：好奇心旺盛なため、電気コードをかじったり、危険なものを誤飲したりしないよう、室内は常に整理整頓し、犬にとって安全な環境を保つ必要があります。

徹底した室温管理

ゴールデンレトリバーはダブルコートの被毛に覆われているため、寒さには比較的強いですが、暑さには非常に弱い犬種です。

• 夏場の対策：熱中症は命に関わるため、夏場は24時間エアコンをつけっぱなしにする覚悟が必要です。快適な室温は20℃〜23℃程度とされています。 留守番させる際も、エアコンは絶対に切ってはいけません。
• 冬場の対策：寒さには強いとはいえ、子犬や老犬は体温調節が苦手なため、過度に寒い環境は避けるべきです。 暖房器具を使用する際は、火傷やコードをかじらないように安全対策を徹底しましょう。

日本の高温多湿な夏は、ゴールデンレトリバーにとって非常に過酷です。

光熱費の負担も考慮した上で、一年を通して愛犬が快適に過ごせる環境を提供できるかどうか、飼う前によく検討する必要があります。

高額になりがちな食費と医療費

ゴールデンレトリバーとの生活で後悔しないためには、経済的な負担、特に高額になりがちな食費と医療費について、事前にしっかりと理解しておく必要があります。

体の大きさに比例して、あらゆる費用が小型犬とは比較になりません。

食費

大型犬であるゴールデンレトリバーは、当然ながら食事量も多くなります。

成犬の場合、1ヶ月に15kg以上のドッグフードを消費することも珍しくありません。

年間の食費は、フードの質にもよりますが、平均して7万円以上になるというデータもあります。

これは小型犬の数倍にのぼる金額です。

おやつ代なども含めると、さらに費用はかさみます。

医療費

医療費は、時に家計を大きく圧迫する可能性があります。

大型犬は薬の投与量や手術費用などが体重に比例して高額になる傾向があります。

• 日常的な医療費：狂犬病予防接種、混合ワクチン、ノミ・ダニ・フィラリア予防薬など、毎年の予防医療だけでも数万円の費用がかかります。
• かかりやすい病気の治療費：ゴールデンレトリバーは遺伝的に特定の病気にかかりやすいことが知られています。 例えば、股関節形成不全の手術には数十万円、悪性腫瘍（ガン）の治療には化学療法や手術で100万円以上の費用がかかることもあります。 皮膚炎なども慢性化しやすく、継続的な通院が必要になる場合があります。

可愛い家族のために、必要な食事や医療を躊躇なく提供できる経済的な余裕があるか、冷静に判断することが重要です。

ゴールデンレトリバーで後悔しないための心構え