大型犬の代表格として世界中で愛されるゴールデンレトリバー。
その温厚で知的な表情と、人懐っこい性格から「理想の家庭犬」とも呼ばれ、多くの家庭でかけがえのない家族の一員として迎えられています。
この記事では、そんなゴールデンレトリバーとの暮らしの中で「あるある!」と頷いてしまうような、微笑ましくも時に悩ましいエピソードを徹底的に深掘りしていきます。
犬種としての基本的な特徴や、個体によって見られる顔の違い、そして「なぜこれほどまでに優しいのか?」という性格の根源に迫ります。
さらに、その愛らしい性格の裏に隠された「飼ってはいけない」と言われるほどの覚悟が必要な側面や、現代のライフスタイルに合わせた共働き家庭で飼う場合の具体的な注意点についても詳しく解説します。
これからゴールデンレトリバーを迎えたいと考えている方はもちろん、すでに一緒に暮らしているオーナー様にも、新たな発見と共感をお届けできるはずです。
ゴールデンレトリバーの尽きない魅力を余すことなくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
- ゴールデンレトリバーの性格や基本的な特徴
- 飼い主なら誰もが頷く具体的な「あるある」
- 犬種タイプの違いや優しい理由の背景
- 家族に迎える前に知っておくべき注意点
性格や見た目のゴールデンレトリバーあるある
- ゴールデンレトリバーの性格について
- ゴールデンレトリバーの基本的な特徴
- ゴールデンレトリバーは優しい なぜなのか
- 人懐っこすぎる甘えん坊な一面
- ゴールデンレトリバーの顔の違いを解説
- なんでも口に入れてしまうイタズラ好き
ゴールデンレトリバーの性格について
ゴールデンレトリバーの性格を語る上で欠かせないのが、その並外れた温厚さと、人間に対する深い友愛の精神です。
彼らは家族に対して非常に愛情深く、特に小さな子供や他のペットに対しても寛容で、優れた順応性を見せます。
この社交性の高さは、家庭内に常に穏やかで平和な雰囲気をもたらしてくれるでしょう。
また、ゴールデンレトリバーは全犬種の中でもトップクラスの知能を持つことでも知られています。
飼い主の言葉や表情を注意深く観察し、指示を理解しようと一生懸命に努める姿は、多くの飼い主の心を掴んでやみません。
この「飼い主を喜ばせたい」という強い欲求が、トレーニングを非常にスムーズに進める要因となります。
しかし、その賢さが裏目に出て、気を引くためのイタズラに発展することも。
ゴミ箱を漁ったり、わざと困らせるような行動をとったりするのは、「もっと構ってほしい」というサインかもしれません。
基本的に穏やかですが、猟犬としてのルーツを持つため、遊びや運動が大好きな活発さも兼ね備えています。
その陽気で明るい性格は、家庭にとってかけがえのない太陽のような存在となるはずです。
ゴールデンレトリバーの基本的な特徴
ゴールデンレトリバーはその名の通り、陽光を浴びて輝くような美しいゴールドの被毛が最大の特徴である、イギリス原産の大型犬です。
19世紀のスコットランドで、貴族の狩猟活動をサポートする鳥猟犬として作出された歴史を持ちます。
特に水鳥猟で、ハンターが撃ち落とした獲物を陸地や水中から回収する役割を担っていました。
そのため彼らは生まれつき泳ぎが得意で、ボールやフリスビーなどを「持ってくる」遊びが大好きです。
彼らの被毛は冷たい水から体温を保ち、皮膚を守るための「ダブルコート」構造になっています。
柔らかく密生したアンダーコートと、水を弾きやすい光沢のあるオーバーコートの二層構造が、彼らの活動を支えてきました。
犬種の公式な基準を定めているジャパンケネルクラブ(JKC)によると、その身体的な特徴は以下のように定められています。
ゴールデンレトリバーの犬種標準データ
| 項目 | オス | メス |
|---|---|---|
| 体高 | 56~61cm | 51~56cm |
| 体重 | 約29~34kg | 約25~29kg |
| 平均寿命 | 10歳~12歳 | |
| 被毛 | ダブルコート(長毛)。ウェーブまたはフラット。 | |
| 毛色 | ゴールドまたはクリームのあらゆる色調。ホワイトは不可。 | |
| 気質 | 自信に満ち、優しく、知的で、生まれつきの作業能力を持つ。 | |
このように、力強く均整の取れた体格と、優雅で気品のある容姿が、世界中の人々から愛され続ける理由の一つと言えるでしょう。
ゴールデンレトリバーは優しい なぜなのか
ゴールデンレトリバーが「優しい」と評されるのには、犬種が作出された歴史的背景と、その過程で選択的に強化されてきた特性が深く関わっています。
彼らの最も重要な任務は、ハンターが撃ち落とした鳥を、その繊細な体や羽を全く傷つけることなく、優しく口にくわえて持ち帰ることでした。
この能力は「ソフトマウス」と呼ばれ、獲物を強く噛んでしまわないよう、非常に精密な力加減が求められます。
生卵を口にくわえても割らずに運べる、と言われるほどです。
この「ソフトマウス」の特性を育む過程で、攻撃的な性質や噛み癖を持つ個体は繁殖から外されていきました。
結果として、穏やかで我慢強く、攻撃性の低い気質が遺伝的に固定されていったのです。
さらに、彼らは常に人間とペアで働く猟犬でした。
ハンターの指示を待ち、それに従い、協力して獲物を得るという共同作業を通じて、人間に対する深い信頼感と高い協調性が育まれました。
人を喜ばせたいという彼らの願いは、この共生の歴史から生まれた本能と言えるでしょう。
こうした長年にわたる選択繁殖の結果、ゴールデンレトリバーは現在の「優しく、賢く、従順な」性格を持つに至り、セラピードッグや盲導犬など、人の心を癒し、支える分野でも広く活躍しているのです。
人懐っこすぎる甘えん坊な一面
ゴールデンレトリバーと暮らす上で最も実感する「あるある」の一つが、その人懐っこすぎて、時に大型犬であることを忘れているかのような甘えん坊な一面です。
彼らにとって、飼い主家族のそばにいることが何よりの幸せなのです。
家の中では、まるで飼い主の影であるかのように、トイレやお風呂場までついて回る「ストーカー犬」になる子は少なくありません。
飼い主がソファに座ってくつろいでいれば、体重30kg近い巨体をものともせず、当然のように膝の上に乗ろうと試みます。
家族が帰宅した際の歓迎ぶりは圧巻の一言。
尻尾をちぎれんばかりに振り、全身で喜びを表現し、時には興奮のあまりお漏らしをしてしまうことも。
この愛情表現は飼い主だけに向けられるものではありません。
散歩中に会う人や、自宅に訪れた来客、他の犬に対しても非常にフレンドリーで、誰にでも尻尾を振って駆け寄ろうとします。
この過剰なまでの人懐っこさは、泥棒にまで尻尾を振ってしまうということから「番犬には全く向かない」と断言される所以ですが、それこそが彼らを最高の家庭犬たらしめる、最大の魅力と言えるでしょう。
ゴールデンレトリバーの顔の違いを解説
一口にゴールデンレトリバーと言っても、よく見ると顔つきや体格にいくつかのタイプが存在することにお気づきでしょうか。
この違いは、主に犬種が発展してきた地域による「イギリス系」と「アメリカ系」の2つの系統に大別されます。
現在、日本でペットとして飼われているゴールデンレトリバーの多くは、アメリカ系の血を引いています。
それぞれの系統が持つ特徴を知ることで、個性の違いをより深く理解できます。
イギリス系とアメリカ系の比較表
| 特徴 | イギリス系(イングリッシュゴールデン) | アメリカ系(アメリカンゴールデン) |
|---|---|---|
| 体格 | 骨太で筋肉質。がっしりとした重厚感のある体つき。 | スマートで優雅。すらりとしたアスリート体型。 |
| 頭部 | 幅広く、ストップ(額の段)が明瞭で力強い印象。 | やや細長く、ストップは緩やかで洗練された印象。 |
| マズル | 太く短い。 | 長くシャープ。 |
| 目の形 | 丸く、色はダークブラウン。 | アーモンド形で、色はブラウン。 |
| 毛色 | クリーム色やプラチナブロンドに近い明るい色が多い。 | 豊かなゴールドの濃淡が主流。 |
| 性格 | より穏やかで落ち着いている傾向があると言われる。 | より陽気で活発な傾向があると言われる。 |
イギリス系は、その美しいクリーム色の被毛から「ホワイトゴールデン」や「イングリッシュクリームゴールデンレトリバー」とも呼ばれ、ヨーロッパで根強い人気を誇ります。
一方、アメリカ系は、ドッグショーなどで見られる華やかで流れるような被毛と、明るくエネルギッシュな性格が魅力です。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個体差が大きいことを理解しておくことが大切です。
なんでも口に入れてしまうイタズラ好き
ゴールデンレトリバーの飼い主が常に頭を悩ませる「あるある」が、目に付いたものを手当たり次第に口に入れてしまう習性です。
これは、彼らが持つ「レトリーブ(回収)」の本能が非常に強く、動くものや興味を惹かれたものを「とりあえず口にくわえて確認する」という行動に直結するためです。
特に好奇心旺盛な子犬の時期は、この傾向が顕著に現れます。
家具の脚、スリッパ、リモコン、子供のおもちゃ、靴下などは、彼らにとって格好のターゲットです。
これは単なるイタズラや破壊行動というよりも、持って生まれた本能的な行動に近いのです。
しかし、この習性には誤飲・誤食という重大なリスクが伴います。
飲み込んでしまった物によっては、腸閉塞などを引き起こし、開腹手術が必要になるケースや、最悪の場合、命を落とす危険性もゼロではありません。
誤飲対策の徹底を!
- 環境整備:犬が口にして危険なもの(薬品、電気コード、小さな物)は、絶対に届かない場所に保管する。
- 代替品の提供:噛んでも安全な犬用のおもちゃを十分に与え、噛みたい欲求を満たしてあげる。
- 「ちょうだい」の練習:口にくわえたものを、飼い主の指示で穏やかに離すトレーニングを日頃から行う。
愛犬の命を守るためにも、飼い主による徹底した環境管理と、適切なしつけが不可欠です。
飼育でわかるゴールデンレトリバーあるある
- 抜け毛の量が想像以上で驚く
- ゴールデンレトリバーを飼う共働き家庭
- 留守番が苦手で寂しがり屋
- ゴールデンレトリバーを飼ってはいけない10の理由
- ゴールデンレトリバーあるあるの理解を深めよう
抜け毛の量が想像以上で驚く
ゴールデンレトリバーを家族に迎えた飼い主の誰もが、例外なく衝撃を受けるのが、その想像を絶する抜け毛の量です。
彼らの被毛は、保温機能を持つアンダーコートと、体を保護するオーバーコートからなるダブルコート。
このため、季節の変わり目、特に春と秋に訪れる「換毛期」には、冬毛や夏毛がごっそりと抜け落ち、家中が毛だらけになります。
ブラッシングをすれば、まるで犬がもう一匹作れるのではないかと思うほどの毛が取れ、掃除機をかけたそばから、ふわふわとした毛玉(通称:ゴールデンボール)が部屋の隅を転がっている、というのは全飼い主共通の「あるある」です。
黒い服を着て抱きしめようものなら、あっという間にゴールドの模様替えが完成します。
このため、抜け毛対策はゴールデンレトリバーとの暮らしに不可欠な日課となります。
- 毎日のブラッシング:スリッカーブラシやファーミネーターなどを使い、死毛をこまめに取り除く。
- 定期的なシャンプー:抜け毛を洗い流し、皮膚を清潔に保つ。
- こまめな掃除:高性能な掃除機や粘着カーペットクリーナーは必需品。
抜け毛との戦いは大変ですが、これも彼らと暮らす上での醍醐味と受け入れる覚悟が必要です。
ゴールデンレトリバーを飼う共働き家庭
ゴールデンレトリバーは人間との強い絆を求める犬種であるため、日中に家を空ける時間が長い共働き家庭で飼う場合には、相応の工夫と配慮が不可欠になります。
彼らにとって最も大きな課題は、長時間の留守番によって生じる「退屈」と「孤独」です。
有り余るエネルギーを発散できず、また大好きな飼い主と離れている寂しさから、強いストレスを感じてしまうことがあります。
これが、無駄吠えや家具の破壊といった問題行動、さらには分離不安症へとつながる可能性も否定できません。
共働き家庭で実践したい工夫
- 朝の時間を有効活用:出勤前に長めの散歩やボール遊びを取り入れ、心身ともに満足させてあげる。
- 帰宅後の濃厚なふれあい:帰宅後はスマートフォンを置いて、ブラッシングやマッサージなど、愛犬とのコミュニケーションに集中する時間を作る。
- 留守番環境の整備:安全なサークルやケージを用意し、中には知育トイやコングなど、長時間楽しめるおもちゃを入れておく。
- 外部サービスの活用:どうしても留守番時間が長くなる場合は、ペットシッターや犬の保育園(デイケア)の利用を検討する。
時間的な制約があるからこそ、一緒にいられる時間をいかに質の高いものにするかが、共働き家庭でゴールデンレトリバーと幸せに暮らすための鍵となります。
留守番が苦手で寂しがり屋
前述の通り、ゴールデンレトリバーの多くは非常に寂しがり屋な性格で、ひとりで留守番をすることが大の苦手です。
これは、人間と協力して作業を行うことを喜びとして作出されてきた、彼らの歴史的背景に起因します。
飼い主の姿が見えなくなった途端に不安を感じ、飼い主が戻ってくるまで甲高い声で鳴き続けたり、ドアを引っ掻いて脱走を試みたり、破壊行動に及んだりすることがあります。
これらの行動は「分離不安」と呼ばれる、犬にとって非常に辛い精神状態の表れです。
分離不安を予防・改善するためには、子犬の頃からのトレーニングが非常に重要になります。
留守番トレーニングのポイント
- クレートトレーニング:ケージやクレートを「安心できる自分の部屋」だと教え、落ち着いて過ごせるようにする。
- 短い時間から始める:最初は数分から始め、徐々にひとりでいる時間を延ばしていく。「必ず帰ってくる」ことを学習させる。
- 出発・帰宅時をあっさりと:大げさに出かけたり、帰宅時に過剰に喜んだりすると、留守番を特別なことだと認識させ、不安を煽る原因になる。
もし症状が深刻な場合は、行動診療を専門とする獣医師に相談することも検討しましょう。
ゴールデンレトリバーを飼ってはいけない10の理由
ゴールデンレトリバーは最高の家庭犬ですが、その素晴らしい特性を維持するためには、飼い主側に相応の覚悟と環境、そして経済的な基盤が求められます。
安易な気持ちで迎えてしまうと、犬と人間の双方が不幸になる可能性があります。
「飼ってはいけない」という強い言葉は、そうしたミスマッチを防ぐための警鐘です。
迎える前に、以下の現実的な課題をクリアできるか、真剣に検討してください。
- 膨大な運動量の確保:猟犬の血を引く彼らは非常にエネルギッシュ。毎日合計1〜2時間程度の散歩や自由運動は最低限必要です。体力と時間に自信はありますか?
- 抜け毛との終わらない戦い:前述の通り、抜け毛は想像を絶します。アレルギー体質の方や、潔癖症の方には非常に厳しい環境となるでしょう。
- 高額になりがちな医療費:大型犬は股関節形成不全や悪性腫瘍(がん)などの遺伝性疾患のリスクが小型犬より高い傾向にあります。アニコム損保の犬種別保険金請求ランキングなどによると、ゴールデン・レトリーバーは皮膚疾患や腫瘍での請求が多いとされています。手術となれば数十万円単位の出費も珍しくありません。ペット保険への加入や、万が一の時のための貯蓄は必須です。
- かなりの食費と消耗品費:体が大きい分、フード代も相当なものになります。質の良いフードを選べば、月々の食費だけでも1万円を超えることはザラです。
- 大型犬が快適に過ごせる飼育スペース:アパートやマンションでの飼育が不可能ではありませんが、彼らがゆったりと体を伸ばして寝転べるスペース、そして尻尾を振っても物を壊さない程度の広さは最低限必要です。
- 徹底したしつけの必要性:賢くても、しつけを怠れば30kgのパワーを持つ手に負えない存在になります。特に飛びつきや引っ張り癖は、飼い主や他人に怪我をさせる危険があります。
- 孤独に弱い繊細な心:長時間の留守番が多い家庭や、犬と密に関わる時間的・精神的余裕がない方には向きません。
- 誤飲のリスク管理:好奇心から何でも口にするため、常に室内の整理整頓と危険物の管理が求められます。
- シニア期の介護という現実:寝たきりになった際、体重30kgの犬を抱きかかえて体位変換をしたり、排泄の補助をしたりするのは、相当な体力と覚悟を要します。
- 早すぎるお別れの時:大型犬の平均寿命は10〜12歳と、小型犬に比べて短い傾向にあります。この短い時間の中で、深い愛情を注ぎ、そして必ず来るお別れを受け入れる覚悟が必要です。
これらの課題を乗り越える覚悟ができて初めて、ゴールデンレトリバーとの素晴らしい生活の扉が開かれるのです。




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